keimaejimaの日記

リクルートでエンジニアやってますが、ここでは情報社会論的なことを書きます

すべての意思決定が、データにもとづいてなされる時代はくるのか

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こんにちは、@keimaejimaです。

現代って、これまで価値があるとされてこなかったものの価値がすごい勢いで見直されていく時代ですよね。

特に、技術の発展によって情報が可視化されたことによって、これまで価値が認められなかったことに対して価値があると認識されたり、数量的な比較の対象になって序列がつけられる例が出てきています。

実例としては、たとえば単なる人の注意を引くこと(アテンションエコノミー)や、特定の言語に対して価値が認められるようになってきています(言語資本主義)。

 

アテンションエコノミーとは

アテンションエコノミーというのはアメリカの社会学者マイケル•ゴールドハーバーが1997年に提唱した概念で、現代においては人々のアテンション(=関心、注目)それ自体に経済価値が含まれているという考え方です。

アテンションを集めるだけで経済的価値を得ることができるようになった理由の一つはインターネットを利用する人の爆発的な増加です。世界中のインターネット利用者は2013年には27億4千万人にのぼっています。2006年からの7年間で2倍以上に増加しているのです。大量のユーザーを動員することで、広告などによってアテンションを集めるだけで経済的価値を得ることが可能になったのです。

また、同時にインターネット上のアクセス分析技術の向上もアテンションエコノミーを支えていると言えます。アクセス解析によって、どのようなコンテンツが収益につながるのか詳細に分析できるようになったことで、「アテンションが経済的価値につながる」ということが実証できるようになったのです。

 

言語資本主義とは

言語資本主義とは、たとえば英語や日本語といった諸言語や、言語の中での特定の単語や文章に対して価値の差をつけることによって生み出される経済圏を指します。

実例としては、たとえばGoogle Adwardsがあげられます。Google Adwardsは検索キーワードをクライアントに対して販売しています。クライアントは、特定の検索ワードによってリスティング広告がユーザーの検索結果に表示されることに対してお金を払います。

より検索件数の多いキーワードや、広告を出したいと思うクライアントが多い言葉に対しては高い値段がつく仕組みになっています。当然、世界的に話者が多い英語の言葉や、「住宅」「海外旅行」といったメジャーな単語に対しては高い値がつくようになります。

 

様々なものが価値の序列をつけられていく

上にあげた二つは、これまでに価値の序列を認められてこなかった「人の注意」や「言語や単語」に対して価値が認められたり、優劣がつけられるようになった実例です。

こうしたことが起こった原因として、やはり技術の発展が大きく寄与しています。人々の消費経路や行動がより詳細に可視化され、分析できるようになったことで価値の序列がつけられるようになったのです。

今後、こうした技術は僕たちの生活の中にさらに深く入り込んできます。そして、あらゆるものが価値の序列の中に組み込まれていくと思います。

僕たちの日常生活に技術が入り込み、より詳細にデータが取得されるようになれば、たとえば、どういった癖を持つ人が経済的に成功しやすい、人に好かれやすいといったことがより実証的に可視化されていくことになります。

 

そんなに悪い未来ではないと思う

身のまわりの人やものが序列化されていくことに対して、強い抵抗感を持つ人もいると思います。全てのものが数量的データに還元され、いずれは全ての人の意思決定がデータに基づいて、統計的になされることになってしまうように感じるのかもしれません。僕自身はそんなに悲観していません。

人類は、数量的データによって序列をつけるということを1000年以上続けてきました。だからといって、データによってすべてが決まる世の中にはなっていません。

データ人間が判断を行うための一つの要素であるにすぎません。食事をするときに、食べログを参考程度に見るようなものです。

また、技術が発達し続ける今の世の中においても宗教を信じる人が増え続けています。「全ての人は無条件に尊い」といったような神秘主義的な考え方今後もさらに広がっていくと思います。こうした、数量的データではなく、信仰に基づいた考え方が存在する限り、全ての人の意思決定がデータに基づいてなされる社会はこないと思います。

情報が可視化されることによって、僕たちの意思決定はより効率的になっていきます。そして、ある種の信仰と技術がバランスをとりながら、尊いものは尊いと無条件に認め、そしてデータよって意思決定が効率化される社会は結構良いものではないだろうか、と思ったりしています。

以上です!

参考:バイラルメディアの台頭により顕著になる「アテンションエコノミー」とは | CredoGoogle AdWords - 広告オークションの仕組み - YouTubeAmazon.co.jp: データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則: 矢野 和男: 本