keimaejimaの日記

リクルートでエンジニアやってますが、ここでは情報社会論的なことを書きます

なぜ一度に一人しか好きになってはいけないのか

なぜ
お題の意味は最近ふと浮かんで来た疑問に由来します。
昨今個性の尊重が叫ばれて久しいですね。
たとえば教育分野だけで言っても10〜20年の間にAO入試など一元的な尺度だけではなく様々な規準で人を評価しようという機運がひろがっているように思います。
その原因としては様々なものが考えられますが、例えば次のような事が挙げられます。
高度経済成長期の頃は教育機関は同じような能力を持った人材を社会に送り出す事が重要な役目でした。
会社に入る事が出来れば経済成長の波に乗った会社の成長と年功序列の下でほとんどの人が生涯安泰に暮らせたのです。
しかし、近年年功序列制度は崩壊し、グローバル化による安価な労働力が流入し、一億層中流社会は終焉を迎えました。
そんな中で一元的な価値によって選別され、教育された人材だけでは日本社会が成り立たなくなって来たのです。




そもそも
そもそも人間が一人一人違った人格、能力を持っている事は明白ですから、その事実に社会の仕組みがやっと追いついて来たという印象を僕は受けています。(もちろんある程度の一元的な知識のインストールを否定するつもりはありません。)
「ナンバーワンである事と同様に、オンリーワンである事も重要だ」という価値観がある程度一般化して来ているように感じます。
さて、そんな社会の中で僕はある事を疑問に思いました。
「なぜ一度に一人の人を好きになる事が当たり前とされているのか」という事です。
当たり前のように通用している社会規範であり、これを破ると時に奇異な目で見られる事もあります。
一人一人に異なった魅力がある事をみんな理解しているはずなのに、なぜその中から一番を決める事が是とされているのでしょうか。
そう言うと「色んな魅力の中でも一番コレが良いというものがあるだろう。それが好きという事だ。」と思われる方がいるかもしれません。
しかし、そもそも異なる魅力を持っている以上同じ土俵で語る事は出来ません。
個々の魅力に優劣はつけられないのです。
僕は、「個々の個性、魅力が尊重されるべき」という価値観と「一度に一人の人しか好きになってはいけない」という社会規範が矛盾しているように感じます。
この矛盾に僕は違和感を感じています。




日本以外ではどうか
さて、日本以外ではこのような社会規範が同様に存在するのでしょうか。
恋愛感情を唯一人に持つ事が是とされる社会規範があるかどうかを調べるのは難しいので婚姻制度に置き換えて見ていきます。
海外では一人の夫が複数の妻を持っても良いとする国が普通に存在します。
イスラーム圏など歴史的背景があったりしますが、現在も一夫多妻は世界各地で制度として残っています。
そして、一夫多妻に比べると数は少ないようですが一妻多夫を制度として採用している地域もあるのです。
さらに、他妻他夫を採用している地域もあります。
このように婚姻制度というのは何か一つの絶対的なものがあるわけではなく、文化によって様々なパターンがある事がわかります。




何が問題なのか
社会規範や法律というものは基本的に「したほうが良い事」と「しない方が良い事」を規定するものだと思います。
社会が持続的にその構成を保っていられるように人を時に縛り、時にある行動に駆り立てるものだと思います。
日本が一夫一妻を採用しており、ひいては「一度に一人しか好きになってはいけない」という社会規範がある事には何らかの理由や歴史的背景があるはずです。
それらを思いつくままに羅列してみます。
・親権問題が複雑化する。
・古典的ムラ社会においては、一夫婦で一つのある特定された範囲の畑をもつという事が権力側にとって都合が良かった。
・「世帯」という考え方が他の様々な法や制度に絡んでくる。その世帯は一妻一夫とその子ども、もしくはその連鎖によって構成される。
・子どもの人格形成に影響を与える。(特に根拠は無い)
まだまだある思いますがとりあえず。




僕はこう思う
ここまで考えてきて、確かに日本で一妻一夫以外の婚姻制度を採用する事は難しいように感じました。
一国の制度や法律というものは、あるものがあるものの根拠や基盤になって、またあるものが、、、といった感じでお互いが複雑に関連し合って出来ています。
そんな中で一妻一夫制度はかなり根本的な部分を構成しているように感じます。
ですが、恋愛の段階で複数の人を好きになってはいけない理由はあまり無いように感じます。
誰かが複数の人を好きになる事で傷つく人が出てくるイメージがあるかもしれませんが、それはたとえば「一度に一人の人しか好きになってはいけない」という規範があるのにそれを破られた事によって傷つくという構造があるのかもしれません。
これ以上の議論は「人間の独占欲は先天的なものか後天的なものか」などといった命題に発展すると思いますが、ここではやめておきます。


結婚はある程度社会規範や法律が絡んで来ても仕方の無いものだと思います。(結婚そのものが社会が決める「約束」のようなものですからね。)
しかし、恋愛はある決まった形があるのではなく、心が動くようにするものだと思います。
法や制度は人の心まで縛るべきではないと思います。
なるべく人が傷つかない範囲で、なるべく自分が気持ちいいように、心に身を任せてみれば良いのではないでしょうか。


このような考え方が、すでに恋人がいる人を好きなってしまったとか、自分は非常識な恋愛観を持っているんではないかとうような悩みを持っている人を少しでも元気にできたら良いなあと思っています。
ではでは。