keimaejimaの日記

リクルートでエンジニアやってますが、ここでは情報社会論的なことを書きます

知的複眼思考法/苅谷剛彦 ★★★★★

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

久しぶりに優秀なハウツー本に出会えた。
この手の本は大概大事な文が1冊の中に1文か2文ほどで他はただ同じ事を繰り返したりありきたりの事を言っているにすぎない文章ばかりで、一度読めばもう良いってぐらいの内容しか書いていないものがほとんどだ。
しかし、この本には注目すべきセンテンスが多数あり、もう一度読みたいと思えた。というよりも、大事な事が書かれすぎていて、”何度か読んで本の内容をマスターしなければ自分は損をする”、と思わされた。

さて、肝心な内容は、簡単に言うと”物事を冷静に見極める為の考え方”が書かれている。
物事をある一方的な価値観、考え方で見る”単眼思考”から抜け出し、多角的な視点で見る”複眼思考”を身につける為の方法論が書かれている。
その方法論を簡単に説明する。
まず、物事を鵜呑みにしないで”批判的に”とらえてみる事。筆者はこの力を付けるには読書がぴったりだと言っている。
物事を疑問のままにしておかないで、”問い”の形でなげかけてみること。これによって疑問が分解されるので、複眼をみにつける訓練になる。
因果関係を考える事。ものごとの原因を追求してみる。このとき、全く関係のない物事が関係しているように見える、疑似相関には気をつけなければいけない。
ものごとを概念化してみること。すなわち具体的な物事だけでは議論が進まないので、いくつかのパターンから共通のものを取り出して概念化してみる。そうすることで一つの物事しか見ていなかった時は見えてこなかった事が見えてくる。
物事を関係論的に見る事。その議論がどのような文脈上行われているのか、それを探って行く事が偏見を捨てる鍵になる。